インタビューVol.05-3 新潟医療センター 尾潟看護部長

【佐渡での患者さまとの関わり】

尾潟)佐渡では外科の病棟、神経内科の病棟に勤務していました。神経内科の患者さんは脳梗塞が多く、残る人がほとんどでした。とか障害持ってうちにくるわけですよね。その人たちを家に帰さなきゃいけないし、再発しないようにするにはどうしたらいいかということを考えていくうちに、地域の保健師だとか保健所とかと連携を取り合うようになり、やりがいを少しずつ感じるようになりました。2000年に介護保険が始まり、今までやってきたことが間違ってなかったと感じられて、これからは佐渡の人たちが困らないように看護していきたいと思いました。

新潟医療センター病院の尾潟看護部長にインタビュー

小川)それは地域密着ですか?
尾潟)そうですね。

小川)要は住民の人から頼りにされる存在に?
尾潟)頼りっていうよりは、寝たきりとか半身麻痺などの障害を持って家に帰ったときに、困らないようにしたいと。
尾潟)介護力の低い家族が多くて、福祉サービスを使いながら家で生活していくにはどうしたらいいんだろうってことを考えていました。あと、早期退院が言われ始めて、早く退院してもらうには医師、看護師、ケースワーカー、ケアマネージャーなどで協力しなければいけないということが、ひとつの病棟から始まり、院内全部の病棟で取り組むようになりました。

小川)要は患者さんが家に帰って困らないように考えていろいろ動いたり、患者さんの話を聞いたり、役に立つようなことを考えたりっていうところに、やりがいといいますか、価値を見出されたんですね。
尾潟)はい、退院された患者さんが外来の受診の時にわざわざ挨拶に来てくれることもありました。元気になった顔を見るとお世話できてよかった、だから私たちは仕事ができると思っています。

【看護師のホピタリティ】

小川)患者さんの関わり看護師さんにとっては一番の仕事であると感じます。また、いろんな看護師さんにお会いしてやっぱりホスピタリティが高い方が多いなというふうに実感しているところですが、尾潟看護部長はどのように思っていらっしゃいますか?
尾潟)いろいろ看護師がいますけど、みんなに持って欲しいですね。忙しいとホスピタリティの意識を忘れ気味になります。

小川)なるほど。沢山のことを考えなきゃいけないですもんね。これは仕事の話と関係ないんですけど、ホスピタリティって持って生まれたものなのか、それとも働きながら身についていくものなのか、これは賛否両論いろいろあると思うんですけど、一番現場に近いところにいらっしゃってどんなふうに感じますか?
尾潟)それは多分持って生まれたものじゃなくて、育ちもあるなって思います。育ちとか性格とか。あとは指導してもらう先輩によると思います。素直な性格の人たちがホスピタリティの高い先輩にめぐり合うことだと思います。

小川)要はいろんなプロセスを経て、その先輩から教えられたりとか患者さんから教えられたりすることってたくさんあると思いますが、そこに自分の持った素質をちょっとずつ積み重なっていくということでしょうか。
尾潟)そうですね。プラスのメッセージを返してくれる患者さんと巡り合って、いいお手本になる先輩がいて、それを吸収できる性格、素質がある人たちですかね。

【仕事と家庭の両立】

小川)なるほど。もうひとつお聞きしたいのですが、家庭と看護師の仕事を両立するのに一番困難だったのはどんなことでしたか?
尾潟)そうですね。佐渡で就職して9ヶ月くらいで病棟管理をするようになった頃、義母がおかしくなり始めて大変でした。

小川)そうですか。
尾潟)病院もわからないし、管理もわからず、無我夢中でやっていた頃だったので、家に帰ると義母が失禁していて・・・。始めの頃は義母は失禁したことはわかったので、洗濯機に入れて自分で洗おうとしていました。そうするとほかの洗濯物も一緒になっちゃって。何でこんなことをするんだ!と怒ってしまうことが度々ありました。

小川)そうですよね。
尾潟)自分で始末できなくなってからは、家に帰ると部屋や廊下が汚れていて。どうして汚すのかとか、余計な仕事が増えてしまうという怒りで、義母に当たってる自分が辛かったですね。

小川)なるほど。
尾潟)だから介護する人たちの気持ちがよくわかります。そういう経験から、患者さんが家庭に帰っても困らないようにしたいと思うようになりました。
そんな状態が2,3年続いた後に今度は義母が脳梗塞になっちゃったんですよ。病院に連れて行ったら、先生から脳梗塞だよっ言われて。『どうする?自分の病棟に入院させるか?』って。
他の病院に入院させてもらい、退院後は家ではみれないのでと老健施設に入所させてもらいました。それからはちょっと楽になりましたね。2年から3年くらいの間でしたけどね。

小川)それは長くお感じになられるでしょうね。
尾潟)その頃がやっぱり一番苦しかったですよね。介護が苦しいんじゃなくって、そのイライラしている自分が一番辛かったです。だから介護で親を殺す人の気持ちもよくわかります。

小川)それは当事者にならないとわからないことでしょうね。それで仕事に対する価値観とかそういうのはやっぱり変化したりするものですか?
尾潟)その介護があって、随分変わりました。患者さんも大事だけど、やっぱり家族も大事なんだということを感じました。

新潟医療センター病院 看護部長 尾潟恵子様

【これからの看護職の役割】

小川)話が変わりますが、介護保険が出来る前から地域の保健師と退院後の介護支援について連携をとられてきたというご経験を踏まえて、これからますます高齢化社会の中の地域医療における看護職としての役割、これからあと10年、20年あると思いますが、どんなふうになっていくと思われますか?
尾潟)2~3年前、父が手術を受けたのですが、その手術がちょっとうまくいかなくて。それで、2,3度手術をやり直しました。その時の手術説明を母親だけが聞いたのですね。そうしたら、全然理解してないのですよ!
尾潟)それは医師もちゃんと患者さんのレベルに合わせて説明できればいいのですけど、忙しいこともあってなかなかわかりやすい平易な言葉で、説明する余裕もないですよね。だから、尚更お年寄りには理解できなくて。看護師がちゃんとそばにいて医師の話を聞いて患者さんがわかるように、家族がわかるようにもう1回噛み砕いて説明をするということが必要だし、それを聞くことで患者さんたちが考えることを聞くこともできます。

小川)えぇ、そうですね。
尾潟)不安なこととか心配なこととかわからないこととかいろいろな想いを患者さんの家族に代弁して医師に伝えて、看護師が解決できることはしようと。患者さん家族の説明者になってあげたり、代弁者になってあげたりっていうのはとっても重要だなって思いますよね。

小川)なるほど。まさにお医者さんと患者さんとその家族をつなぐ代弁者ということですね。しかしほんと重要ですね。この堅苦しいといいますか、世間もうるさくなってきてますよね。

【患者さん、ご家族の目】

尾潟)よくわからないから変なかたちでクレームをつける人もいて、ちゃんと説明して理解してもらえば、そんなこと言わなくて済むのにということもあるのではないでしょうか。佐渡では、午前中、総合案内に立っていました。そうす検査の結果の見方がわからないとか、薬がバラバラになってしまってわからなくなったと相談に来る人がかなりいました。受診する必要はないけれど、わからないことがあって困っている人たちもいるんだなと思いました。

小川)それは看護師さんが気軽に聞ける立場にいらっしゃって非常にいいですよね。
尾潟)病院の中でも、気軽に相談できる人たちが必要なのかなって思います。話を聞く、相談を受ける仕事はいくつになってもできますね。

小川)そうですよね。でもそれは尾潟看護部長のところへ行けば聞いてくれるとか、聞きやすいということもあるのではないですか?
尾潟)いつも立ってましたからね。私自身も患者さんたちとお話できて楽しかったですよ。

小川)そういうところで楽しみといいますか、ちょっと仕事外のところで信頼関係がつながっていうのもあるのでしょうね。
尾潟)職員の顔を患者さんや利用者さんたちがわかるっていうことは、利用者さんたちの安心感になると思うんですね。ここにかかりたいって思ってもらえると思うし。

小川)そうですね。あと、看護職の役割はお医者さんと家族の双方の代弁者っていうことも十分あると思うんですけど、今たくさんの世代の人たちがいますし、働ける看護職のお仕事も限られてるじゃないですか。でも上の層はどんどん高齢者が増えてきまして。例えば20歳前半の看護師さんが80歳の方のケアを見るのは当たり前だと思うんですけど、若い看護師さんにこんなことを感じたり考えたりして欲しいなって思いますか?
尾潟)学生は実習の中でいろいろな年代の人達と接しているので、年配者だから看護ができないっていうのはないと思いますが、患者さんたちが持っている価値観を大事にしてもらいたいです。自分たちの価値観で患者さんを判断しない、患者さんが大切にしているものを看護師は大切にしてもらいたいです。

小川)価値観、それぞれ違いますもんね。
尾潟)きっと自分の価値観を押し付けると患者さんも満足できない。

【時代の変化とともの看護職も変わる】

小川)最近の新卒とか20代30代の看護職の方を見ていて、これは私たちの時代にはなかったような、この人たちこういうことができたり、こんなこと考えたりするのっていいなってところって何かありますか?これは私たちの時にはできなかったことだとか。
尾潟)そうですね、今思うのが自分で看護師になった後でもキャリアを自分で選べるところですか。例えば病院の看護師になった時に私たちの時代は、病院の方針であなたはあそこの病棟、ここの病棟っていうふうに決められたりとかしてましたけど、今は認定看護師、専門看護師がありますよね?そういう道に進みたいっていえば協力してやれるところですね。目指すところが決まれば支持してもらえるっていうのが非常にいいことだなって思います。

小川)認定看護師になるためには、学校に半年とか1年くらい行かなきゃいけないんですか?
尾潟)そうですね。入学試験を受けて半年くらい研修に行って、そのあと認定看護師の資格試験に合格しなければなりません。
尾潟)あと今は働く場所も選べますよね。老健だったり、介護施設だったり。私たちも選ぼうと思えば選べるんですけどね。

小川)そうですよね。いっぱいご紹介しますよ。笑
あとは20代前半の学生さんと看護師さんたちに、勉強しといた方がいい、若い時にやっといたほうがいいとか感じることってどんなことですか?

尾潟)やっぱりコミュニケーション能力を身に付けておいてほしいです。

小川)コミュニケーション能力ですか?
尾潟)はい。私も実をいうと就職したときは患者さんと話をすることは苦手だったんですよね。最初は苦手だった私も経験で直ることなんだなって思います。看護師間でもコミュニケーションを取れないと、何を考えてるかわからないので困ります。わからないことはわからないと、はっきり言ってもらっていいんです。新人には毎年言ってるんですよ。『わからないことがわからないって言えるのは今のうちだからはっきり言いなさい』って。『言わない方がみんな困るんだから』って。

小川)コミュニケーションっていう話はどこの病院さん、看護師さんにお邪魔しても皆さん切実におっしゃっていますね。
尾潟)やっぱりそうですか。

小川)患者さんとか利用者さんとのコミュニケーションは仕事ですので、なんとかなるらしいんですけど、職員間のところが非常に困るって・・・
尾潟)そうなんですよね。だからそういうことを一から指導していくのも私たち上司の仕事だと思っています。

【理想の看護師像】

小川)それで、今まで看護職として30年間勤めていらっしゃって理想の看護師、看護観はどのようなものでしょうか?尾潟)理想の看護観ですか?いつでも患者さんに話しかけれる看護師でいたいですよね。自分が30年やってこれたのは、やっぱり仲間がいたから家族がいたからだけじゃなくて、患者さんがいたからなんですよね。

小川)なるほど。患者さんが病気で通ってこられて、治っていくケースと治られないケースといろいろあると思うんですけどね。患者さんの存在が大きいということですね。
ありがとうございます。これで終わりたいと思います。何か言い足りないこととかありますか?

尾潟)高校生には、お金のことはシビアに話していました。体力も使うしきついかもしれないけど、お給料は他の職業の人よりも夜勤とかやっている分高いと。同世代の人たちよりも、苦労する分お金はいっぱいもらえるんだし、それは経済的に親から自立することになるからと。プラス、一緒に苦労した同僚・先輩とは一生のお友達になれるからと。そういう面では他の会社では多分ないことだと思うんですよ。なので、お金と友達のことはいつも言っています。

小川)なるほど。それは大切ですよね。
尾潟)それで昨年、高校に話に行ったらたまたま私の友人の娘が聞いてたんですね。その後、その子の母親から、『夏休みが終わったら、急に看護師になるって言い出したんだよね』と聞きました。

小川)その高校生は感銘を受けたのですかね。
尾潟)そうなんですかね。一人でも多くの方が看護師になってもらえたらいいかなって思います。

小川)そうですね。ありがとうございました。

← 前のページ
目次へ戻る

看護師求人情報、詳しい条件等、お電話でのお問い合わせもお受けしております。
看護のお仕事100件以上 非公開求人も多数ご用意!会員登録はこちら ↓↓

条件による絞込み検索はこちら!

安心のキャリアアドバイザーサポート

・見学・面接に同行します。
・じっくり丁寧に面談します。
・入社初日に同行します。

新潟県・新潟市中央区の看護師求人・派遣・転職|新潟ナース就職バンクについて

 新潟ナース就職バンクは、看護師の方が転職して、ほっとしてもらえるサポートを目指す、ケアスタッフが運営する看護師専門求人募集サイトです。
 私たちケアスタッフは「長寿社会の未来に役立つツルハシを提供する」をビジョンに掲げ、医療、介護などの看護師就職問題の解決に取り組んでいます。看護師を目指している方まずはご相談ください。あなたにあった求人が見つかるはずです。

新潟県・新潟市中央区の看護師求人・派遣・転職|新潟ナース就職バンクについて
会社概要 | メディア掲載実績

新潟の派遣・求人状況

新潟県の看護師は「売り手市場」です。派遣、就職、転職を問わず求人は多く、求人数1,134人、求職数507人というデータからも、はっきりと分かります。

新潟で看護師派遣の求人情報など新潟ナース就職バンクでサポートします!
今すぐ登録!駐車場も無料です!

毎週水曜日に看護職のための相談会を実施しています。今後のキャリアプランや求人の事をじっくり相談いただけます。

FEATURE

ケアスタッフセミナーDVD 詳細はこちら
5分で分かる ケアスタッフが選ばれる理由  就職・転職成功者の本音アンケート一覧 U・Iターンインタビュー 看護師の知恵袋 看護師が知って得するお役立ち情報
ケアスタッフ

〒950-0983
新潟県新潟市中央区神道寺2-1-1
TEL 025-240-7322
FAX 025-244-3023

ケアスタッフ

看護職の就職・転職のことなら私達に何でもご相談ください。

ケアスタッフ

お子様連れでも安心ですよ。

ケアスタッフ公式フェイスブック | ベテランナースに聞いた「私の看護師人生」